契約書・合意書の作成・チェック
紛争予防法務の一環として、契約書の作成・チェックを行います。
約束を「書面に残す」ことの重要性
契約紛争の相談を受ける際、
「契約は口約束でも成立するんですよね」
と、言われる方が多くいらっしゃいます。
確かに、多くの契約は口約束でも成立します。しかし、いざ契約内容が裁判の争点となった場合、「○○という約束があった!」と主張する方が、その約束内容の存在を「証明」しないといけません。
この点、裁判所は、「書証」(紙の証拠)をとても大事にする傾向があります。従って、約束の内容を記した契約書・合意書があれば、裁判所に対して「○○という約束があった」ということを認めてもらいやすくなるのです。
また、約束事を書面に残しておけば、いわゆる「言った、言わない」の話になることがなく、裁判紛争にまで発展しにくいということも重視すべきです。
「ひな形」の書面で大丈夫?
法律的な約束事項を「書面に残しておく」ことの重要性を認識されている経営者の皆様の中には、インターネット上にある契約書のひな形をダウンロードしてきて、そのまま使用しているケースがあります。
もちろん、書面が何もないよりもずっとよいのですが、「ひな形」の契約書をそのまま使用することについては、以下のようなデメリットがあります。
1.本当に決めておきたいことが含まれていないケースも
例えば金銭消費貸借契約書(いわゆる借用書)を締結する場合、本当は借主から利息を取りたいのに、ひな形には入っていなかった、ということがあります。
「契約書に書いてなくてもお金を借りたら利息を払うのは当たり前でしょ」と思われる方もいますが、利息を支払う約束をしていなければ、金銭消費貸借契約は無利息となってしまいます。
このように、契約は、
- 何を目的としているのか
- 特に決めておきたい事項は何か
- 相手方との関係で、契約のどの部分が問題となりそうなのか
が、契約書ごとに異なって当然のものなのです。
従って、契約を締結する際は、ひな形を使用するにしても、上記目的に従って、オーダーメイドで修正を加えなければなりません。
2.そもそもひな形が存在しない契約もある
インターネット上にあるひな形は、往々にして、いわゆる典型契約(民法その他の法律で規定されている契約)のものが多いですが、各企業がそれぞれの業種、それぞれの業態において日々締結する契約が、典型契約とは限りません。
この場合よくあるのが、当該契約とは全く異なる契約類型のひな形を無理やり使っているため、本来の合意内容とは全く別物も契約書になってしまっているケースです。これでは、契約書の作成がむしろ有害なものとなってしまいます。
このような場合、ひな形に頼らず、一から書面を作成する必要があります。
3.ひな形はよくも悪くも「平等」
取引の相手方と契約する際、
「こちらに有利な契約内容にしたい」
と思うことは、企業であれば当然のことです。
しかし、ひな形は誰でもとりあえず使用できるように作られていることが多く、いい意味でも悪い意味でも、契約当事者の立場が「イーブン」になっていることが多いです。
特に額の大きい取引や継続的取引であれば、できるだけこちらの有利に契約書を作成・締結することが必要です。
こんな方におススメ
- 一応、契約書を作成してみたんだけど、これでよいかどうかわからない
- ある会社と継続的に取引をすることになったが、取引のルールを書面化しておきたい
- これまで社内で使用してきた契約書を改訂したい
- 損害賠償の示談が成立したが、あとで話を蒸し返されないような書面を作成したい
- ひな形にはない契約を書面化したい
- 自社にニーズに応じて、有利な契約書を作成したい
契約書の作成・チェックをメールや電話のやり取りで、継続的に行いたい方については、顧問契約をおすすめしています。
また、契約書作成の注意点・着目点をひととおり学びたい方は、各種セミナーをご利用ください。